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4月, 2022の投稿を表示しています

魚は陸で捕れるもの?陸上養殖の事業化進む

陸上養殖とは 陸上養殖とは魚を 陸地で魚を育てるものです。陸の上で育てるわけではなく陸地に設けた養殖プラントで魚を育てる養殖方法です。 プラントの場所は別に海の近くである必要はありません。山の中など内陸部でも海産物を生産できます。またデパートの地下にプラントを作れば、店頭で魚を安価で販売できるようになります。流通倉庫内にプラントを作ればインターネットからの注文でその日のうちに新鮮な魚を届けることも可能。魚の生産(漁獲)と物流を根本から変える可能性を秘めています。 これまでは陸上養殖は多くは実験的なものか小規模なものに限られていましたが、今後はひとつの漁業の形として食を支えていくことになりそうです。 水産物消費の実態――日本は魚離れではなく魚不足 近年、不漁のニュースが日常的になっています。水産庁の「令和2年度 水産白書」によれば、世界の魚介類消費は過去半世紀で約2倍に増加しています。世界的な食糧需要の高まりなどを背景に、魚の乱獲が止まりません。全世界の漁獲生産量を見ると 1985 年あたりから横ばいで伸びていない一方で、新興国を中心に魚類の需要は増加の一途をたどっています。 日本の漁業・養殖業生産量を見てみると減少の一途をたどり続けており、ピークだった 1984 年( 1282 万トン)と比べ 3 分の 1 近くまで減っています。 若者世代を中心に日本の魚離れが叫ばれて久しいですが、その実態は日本でも魚不足が常態化しているのです。 需要を補うため養殖産業は拡大が進み、今日漁業生産量の約半分を占めるまでになっています。しかし養殖にも課題もあります。魚類の需要が現在のペースで増えていくと、近いうちに養殖による魚類の供給も需要に追いつかなくことがはっきりしています。それは現在主流となっている海の一部を囲って行う海面養殖では、養殖に適している場所が限られるからです。 というわけで陸上養殖の事業化が推進されています。とはいえ陸上で大規模に養殖を行う場合、生産管理と品質安定の難易度は高いという難点があります。さらに1つの飼育法をほかの環境や施設で再現することが難しいという点も課題となっていました。 次世代の陸上養殖テクノロジー https://project.nikkeibp.co.jp/mirakoto/atcl/mirai/h_vol40/ いま

企業の過去・現在・未来を描く価値創造ストーリー

近年企業の統合報告書や SDGs で「価値創造ストーリー」という言葉をよく見かけるようになっています。 「価値創造ストーリー」とは、自社ビジネスの成り立ちと、それが今後のチャンスやリスクをふまえて将来的にどのような価値を持続的に創造していくかを、投資家やステークホルダーに対して説得力を持って語るストーリーです。 財務・非財務の価値を統合的に説明する「統合報告」が一般的になってくると、その全体像を示すツールとしてこの言葉をよく使うようになりました。「価値創造ストーリー」は今や統合報告書の主要コンテンツとなっています。 いわば企業の過去・現在・未来の本質を誰にでもわかるようにシンプルなストーリー化する、というわけで、ちょっと考えただけでもやっかいな作業です。いくつかの企業では、企業ブランディングや CSR や SDGs 関係をお手伝いしている関係で、時おり経営企画や広報 IR の方から「いろいろ要素はあげてみたが、複雑すぎてまとまらないのでちょっと相談に乗ってほしい」という依頼が来ることがあります。 まとまらないのは無理もないとはお察しします。何十年も歴史のある企業ですから、いろんなビジネスを展開し拡げたり畳んだりしてきたことでしょう。またそのへんの事情や内実にもかなり詳しいでしょうし、思い入れも強いわけですから、自分の会社をシンプルに「こんな会社」とまとめるのは難しいのも当然のことです。さらに将来の事業機会に加えて、リスクの予測もしなくてはなりません。まとまりがつかなくなって、自分のような外部の人間から見て客観視してほしいというわけなのでしょう。 広報 IR 専門のコンサル企業さんに依頼すれば、慣れておられるので、まず間違いないものが出来上がります。しかしいろんな事情があって、自分のようなコンテンツ系の人間の意見も聞きたいのだろう、名誉なことだと思ってご相談に乗ります。 価値創造ストーリーの対になるものとして価値創造プロセス、価値創造モデルがあります。言語化したものがストーリー、 1 枚の図にまとめたものがプロセスやモデルです。プロセスやモデルの図に関しては、 IIRC--International Integrated Reporting Council (国際統合報告評議会)によってフレームワークが定められています。それに則った作り方をする

SF手法で新規事業創出 SFプロトタイピング

SF (サイエンスフィクション)は 科学的な空想にもとづいたフィクションの総称で、小説や映画やアニメの王道ジャンルのひとつです。 SF とビジネスという、空想と現実の両極端にあるものが、いま思わぬ融合を果たそうとしています。 近年、ビジネスのボーダーや枠組みがデジタルやネットワーク技術によって破壊され、企業は新たな事業の創出を強く求めています。新規ビジネスの創出や創発といわれる取り組みです。多くは経営部門肝いりで新規事業創出部門を設立し、コンサルと協力して、早期に新規事業のデザインと立ち上げを目指します。 よくある手法としては、自社の知的財産やコアコンピタンスの整理といった IP マッピングというプロセスを行います。とはいえ現在の知的資産をベースに、例えばオープンイノベーションでスタートアップ企業と協業した程度では短期的には事業は成功したとしても、永続性のある柱事業のようなものを生み出すことは難しいのが現状です。 ですのでそれとは別に、現在のトレンドや技術革新などの要素をもとに未来、十年から数十年後の未来社会の姿をデザインします。そのなかでどんなサービスや技術が活躍しているか、そして自社の分野や技術が活かせる可能性を分析します。そして未来社会の画期的なサービスや製品を実現するためには、どんな要素技術や技術革新を生み出していかなければならないかを分析し、その道筋(ロードマップ)をつくります。そしてそこに資本を集中していきます。   とまあ、こんな感じで事業創出アプローチを進めている企業は多いと思うのですが、ここで問題となるのが、自社の知的財産やコアコンピタンスは自社のことなので容易に把握できるのですが 、「これからの市場ニーズがわからない」「新たなテクノロジーが出てきても、それをどう新たな企画に結びつければよいのかわからない」このような悩みを抱えている方は多くいるのではないでしょうか。 新規事業創出ではいかに新しい価値を生み出せるかが肝要です。企業の中にいるとどうしてもアイデアが小さくなってしまったり、世代間で感じるリアリティにズレがありアイデアが理解されないというケースがあります。頭の凝り固まった企業内のメンバーでは「想像を超えた創造」を生み出すのは難しいものです。 また未来社会のシミュレーションは、 5 年後であれば想像は容易ですが、