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3月, 2022の投稿を表示しています

CO2から水素とプラスチックを--夢の技術「人工光合成」

光合成といえば植物の特有の技かと思っていました。が、これを人工的に行う人工光合成が注目されています。光合成は植物が光と二酸化炭素と水から酸素とでんぷんを生み出します。 太陽光と水、二酸化炭素( CO2 )からさまざまな有用な物質をつくる ものです。 カーボンニュートラルが目指されていますが、その方法のひとつとして単に二酸化炭素を減らすだけでなく、これを積極的に資源として利用する取り組みがあります。カーボンリサイクルや CCUS と言われる取り組みです。二酸化炭素を回収し、これを材料に化学品をつくります。 出典:経済産業省 人工光合成のプロセスでは、 、太陽光に反応して水を酸素と水素に分解する「光触媒」と呼ばれる物質と、そこから水素だけを取り出す「分離膜」、水素に CO2 を合わせて化学合成をうながす「合成触媒」の技術が必要となります。 注目されているのが途中のプロセスで水素が生成されること。水素生成時には    CO2 が発生することはなく、「クリーン水素」が生まれます。ボスト脱炭素社会として、水素社会を目指す動きもあることからこのクリーンな水素はまさに社会が求めている資源です。実用化に向けての研究は産官学連携で積極的に行われていますが、大企業が参入する動きもさかんです。 分解は太陽光を吸収する光触媒か、電極を使う 2 つの方式が主流です。 トヨタが持つ排ガス触媒の技術を用いて、水を酸素と水素に分解する光触媒シートを開発しました。 水素を安くつくることができれば、トヨタは燃料電池車の動力に使え、水素をもとに作ったプラスチック部品でクルマを安く製造できる可能性もあります。 CO2 を排出しないグリーン水素なので、この水素を活用すればクルマの製造時に出る CO2 の抑制にもつながることが期待されます。 出典:日本経済新聞 現在のエネルギー変換効率は約 1% 。 植物の光合成の変換効率が 0.2 ~ 0.3% ということを考慮するとかなりの高効率と言えそうですが、 実用化の目安とされる 5 ~ 10% にはまだ距離があります。 夢の技術ともいえるものなので、ぜひ実用化してほしいところです。

村田製作所が量子乱数で車載セキュリティを高度化、量子コンピュータ時代に対応

村田製作所は量子乱数ハードウェアセキュリティモジュール( HSM )を発表。量子コンピュータ時代に求められる耐量子計算機暗号( PQC )に利用可能な、偏りの少ない量子乱数を生成する HSM を外付け部品として自動車やドローンのシステムに組み込むことでより高度なセキュリティ対策を実現する。 https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2201/20/news051.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter ---------------------------------------- クルマの電子化とともに、クルマのハッキングのリスクが叫ばれています。ことに OTA ( Over The Air :無線によるプログラムのアップデート機能)が行われるようになると、自動車、ネットワーク、サーバーから プログラム(機密情報 / 個人情報含)が盗まれる、あるいは自動車内部に侵入されることになります。 そのためクルマには強度なセキュリティが求められています。 車載セキュリティは、車載システムをつかさどる ECU (電子制御ユニット)のマイコンに、セキュリティ回路を搭載します。 現在提案されている車載セキュリティ回路は、 SHE ( Secure Hardware Extension )と HSM ( Hardware Security Module )の 2 つがあります。加えて各 ECU の暗号鍵を管理するためのデータベース技術も必要となります。コンピュータで暗号処理を行う際、暗号鍵を外部アクセス可能なストレージやメインメモリに保管すると、外部からの攻撃により割り出される危険があります。その危険を防止するために、保護された 1 枚の半導体チップの中で、暗号鍵の生成、保管、暗号処理のすべてを完結させ、外部に鍵を出さないようにしたものが HSM です。   もうひとつ暗号化技術がカギです。暗号をつくりだすための暗号化アルゴリズムとして AES というものがあります。これは無線 LAN の暗号化でも使われています。今日、暗号鍵に最適なビット数は 256 ビットとされています。これは「2の 256 乗」通りの鍵が存在することを意味しています。高性能のコンピュータを駆使しても解読に数

ソニーEVに参入、その舞台裏に知られざるグローバル企業マグナ

出典:ソニー まさかまさかのニュースでした。「 ソニー、自社で EV 参入。 SUV の新型 VISION-S も披露」 https://www.sony.com/ja/SonyInfo/vision-s/vehicle2.html ニュースによれば、ソニーグループは新会社ソニーモビリティの立ち上げを表明。同社において EV の自社展開を検討していくということです。 先立つこと 2 年前、 2020 年にソニーは「 VISON-S 」という名前の EV を発表。この時はあくまで部品サプライヤーとしてモビリティやエンターテインメントを研究するための習作と定義していました。 もともとソニーは CMOS イメージセンサーでは世界トップシェアを持ち、オーディオやホームシアターなど音響・映像分野もお家芸でした。 VISION-S の1号車はエクステリアもインテリアも、「さすがソニーデザイン」と言えるほど完成度も高いものでした。欧州で公道走行実験を行なっていました。 アップルが EV 進出するのはすでに既成事実となっていますので、それに対抗してソニーもあるいはワンチャンあるか、いやまさかまさか、試作車と量産車では天と地ほどの差があるよね、と思っていました。ソニーが車メーカーとは、よもやよもやの展開です。   出典:ソニー 今回発表した SUV タイプの試作車両 (VISION-S 02) は、 VISION-S 01 と共通の EV/ クラウドプラットフォームを採用したバッテリ EV(BEV) 。 CMOS イメージセンサーや立体空間を 3D で正確に把握する LiDAR など、周囲 360 度に張り巡らされたセンサーで周辺環境の認識・把握をリアルタイムに行ない安全運転を支援。周辺環境の状況を車内でも的確に判断できるよう、車内の音響システムや HMI システムと連携したドライバーインタラクションを提供する。 また ToF 方式距離画像センサーを用いて、ドライバー認証やパッセンジャーを見守るためのモニタリング機能を提供。また、直感的なクルマのインターフェースへの進化を目指し、ジェスチャーコマンドや音声コマンドに対応していく。さらに車両のディスプレイテーマや加減速音を設定できる機能も提供する。この他にもインフォテイメント系や通信系など、ソニーのお家芸がぎ