スキップしてメイン コンテンツに移動

IoT通信の本命になるか? IEEE 802.11ah


あらゆるモノをインターネットに接続するIoT。通信だけではなく、医療、家庭、金融、流通、インフラなどあらゆる産業でIoTは普及しています。その普及のスピードは、感覚的に見て加速度的という表現を超えるほどです。接続される機器の数は、調査によれば世界のIoT機器の数は、2017年で約270億個、2030年には約1250億個に増加し将来的には1兆個を超えるだろうと言われています。IoTがあらゆるモノの標準機能になりそうな勢いからすると、このペースはさらに前倒しになるかもしれません。

さてIoTに必要となるのが専用の無線通信です。IoT機器からアクセスポイントやゲートウェイを経由して最終的には中央の管理センターやデータセンターにつながることになります。短距離無線を使用して中間のゲートウェイに集約する方法もありますが、設置環境や運用面からある程度の距離を飛ばせた方が有利、ということで、LPWA(省電力広域)と総称される無線通信を使う場合も多くなります。

LPWAは今日、いろいろな規格が乱立している状況です。どの規格も特徴があり、さながら戦国時代の様相を呈しています。

今回発表された「Wi-Fi HaLow」は、Wi-Fi の統括機関であるWi-Fi Allianceが発表したLPWAです。IEEEが定めた規格「IEEE 802.11ah」の技術をWi-Fiに適用したものです。

EEE 802.11ahの特徴は下記の通り

出典:Wi-Fi Alliance

距離別通信速度でみた、Wi-Fi HaLowと他のLPWAネットワークとの比較[出典:Wi-Fi Alliance


Wi-Fiの認証プログラムであるWi-Fi CERTIFIEDに加わったことで、既存のWi-Fiや「Wi-Fi 6」や「Wi-Fi Easy Connect」などとの連携も容易になり、最新のセキュリティ規格「WPA3」もサポートされることになるなど、利便性の高いものになっています。

国内では2021年度内をめどに、920MHz帯での通信割り当てが行われる見通しだそうです。

上記の特徴を見る限り、「遅れてきた本命登場」の感ありです。特に既存Wi-Fiとの連携やWi-Fiで使用されているさまざまな既存テクノロジーを活用できるのも、システム開発側にとってはメリットが大きいと思われます。

デバイス開発企業を含めた国内エコシステムの構築が、今後の普及のカギを握ることになると思います。







コメント

このブログの人気の投稿

半導体不足で分かる思わぬ「関係」

  全世界的な半導体不足。それをきっかけに 思わぬ企業と思わぬ企業が半導体を通じて結びついていることが分かってびっくりします。 例えばヤマハの電子楽器の場合は? コロナにともなってお家で楽器を再び始める人が増えた。しかしヤマハは半導体不足でいまいちその波に乗り切れない、という記事がありました。 ヤマハの電子楽器向けの半導体を作っていた旭化成マイクロシステム延岡工場で火災が発生しました。ヤマハは電子楽器向け半導体の多くを、旭化成マイクロシステムに頼ってきた、と記事には書いてありました。 あ、そうなんだヤマハは半導体自前じゃなかったんですね。 旭化成マイクロシステム、 通称 AKM 。 いまは旭化成エレクトロニクスとしても知られていますが、オーディオ用のアンプやコンバータなどでは、海外マニアを唸らせる世界最高のオーディオブランドとして知られています。なのでいまだにAKMのブランドが使われています。 なるほど AKM が供給元だったのですね。センサー系の製品の仕事でお手伝いさせていただいたことあります。一刻も早い復旧をお祈りします。 これとは別に、ルネサスの工場が以前の 大雨で たいへんな被害にあって、操業を休止した際には、世界中の車載半導体の供給が滞って、これまた世界のマーケットが深刻な事態になったとか。 事故は起こってはいけないことですが、こういう時に半導体という製品の持つ影響力の大きさや広さというものを改めて感じさせてくれます。

グラフィックレコーディングで、イベント来場者の注目度アップ

  出典: グラフィックカタリスト・ビオトープ グラフィックレコーディングとは? グラフィックレコーディング(通称:グラレコ)。議論、セミナ 、インタビューの内容を、グラフィックでリアルタイムに視覚化する手法です。見えない情報をビジュアル化することで分かりやすくする。シンポジウムやオンラインイベントで近年よく見る手法です。 ピンとこない方は、ここを見ていただくとどんなものか分かると思います。 自分も何度かご相談したことのある 「グラグリッド」さんのプロジェクト例です。 https://glagrid.jp/gallery 何かしら、どこかで見たことありますよね。   視覚化することで分かりやすく、しかもエンターテイメントになる 講演やシンポジウムの内容をグラフィックマップの形で描きます。ライブで行うことが一般的です。 メリットや効果としては、一番なのは、情報の視覚化。要するに分かりやすくなる。全員がイメージとして共有できる。というあたりです。 また、ライブで行われるので描いている過程を見るのが楽しいです。 そして出来上がりの絵をあとから見るのが、また楽しい。 最終的にはかなり大きな絵になりますので、ライブイベントであれば現地の壁面。あるいはオンラインで公開するとたいへん注目度が高いです。 サマリーや議事録を文字のみで読むより格段に読んでみようという気がおきます。 出典:グラグリッド グラレコを使いたい時のちょっとした注意 イベントにグラレコを組み込むために、グラフィックレコーディングの会社さん数社から、実務的なお話もお聞きしました。そのいくつかをご紹介します。実際行う時の参考になるでしょうか ・かなり体力を使うそうで、描く人が複数人必要 ・全体では巨大なサイズの紙になるので掲出の場所を確保しておくこと ・専門性の高い分野は難しい言葉も多いので、必ず事前に講演者と打合せが必要 ・費用に関しては会社によると思いますが、比較的導入しやすいと申し上げておきます。マルチトラックの講演をやれば、その数だけかかるのは当然のことです。   というわけで効果と使いどころだと思います。比較的オープンイノベーション系や CSR 系のいろんな方が参加するイベントでは採用されやすいです...

分解記事はいつもドキドキ、スリリング

  「 ITmedia Virtual EXPO   2021 秋」で面白かったウェビナーをもうひとつご紹介します。   タイトルは「最先端 5nm プロセッサ解剖」。   泣く子も黙る最新鋭プロセスを採用したプロセッサ。最新 iPhone の A14 プロセッサ、 SnapDragon   888 プロセッサなどで採用されています。 これは分解記事好きとしては、見ざるを得ない所存。   ニュースサイトや雑誌で、解剖・分解記事は大人気。 話題のあれの中身はどうなってるんだろう。エンジニアのみならず一般の人も興味を引くようで、分解記事があると読者がどっと増えるのだそうです。ご多分にもれず自分も大好きでございます。   近年は YouTuber でも「分解系」が人気を集めていて たとえば世界規模では JerryRigEverything https://www.youtube.com/c/JerryRigEverything/videos 登録者 700 万人近いという人気 YouTuber です。 なかには電気自動車まるごとの分解記事なんかもあったりして、スケールも巨大になっています。     とういわけで「最先端5nmプロセッサ解剖」は最新プロセスである5nmプロセッサーを実際に分解していって解説していくもの。 Apple の A14 SnapDragon888 などを分解して中身の構造や機能を推理 / 解説していきます。 これがサスペンスドラマのストーリーのよう。一層一層、薬品で溶かしていくごとに、新たな事実が判明。そこから設計思想を読み取りしていきます。まるで海外ドラマのミステリーを見ているかのようなスリリングな展開でした。