スキップしてメイン コンテンツに移動

木からクルマ?夢の素材CNF(セルロースナノファイバー)とは?

 


最近よく耳にする夢の新素材「CNF」について勉強してみました。

CNFセルロースナノファイバーの略です。

もともとは木。木から繊維質を取り出します。これを重ねていくことで紙ができるのは、ご存知の通り。

紙は軽くて丈夫な素材ですが、これをもっともっと細く微細に行うことで限りなく軽く、丈夫にすることができます。この木材繊維をナノレベルまで解きほぐした素材がCNF(セルロースナノファイバー)です。

CNFは鋼鉄と比べても、重さは5分の1と軽く、しかも5倍の強度を持ちます。

軽さや丈夫さ以外にも、木材由来で入手しやすく、製造時のCO2排出量が少ないなど多くの特長があります。

自然由来、再生可能、リサイクルと、まさに脱炭素時代やリサイクル社会にぴったり、というわけで「夢の素材」と呼ばれています。

CNFの電子顕微鏡写真  出展:京都大学


出展:環境省


木を材料にするということで、森林資源の乱獲や乱開発がちょっと心配になります。が、現実は国内では、使いみちのない樹木や 伐採材など 廃棄されるばかりでリサイクルされない森林資源がほとんどらしいのです。それを有効活用しようというのも背景にあるようです。

CNFは、政府環境省もSDGsや環境対策としてキモ入りの素材です。

https://cnf-ncm.net/index.html

軽量、高強度、高環境性ということで、CNFは自動車、家電、建築などの分野で、すでに活用が始まっています。

この他に 様々な産業ビジネスでの応用利用が期待されています。

ことに自動車での採用が目立つようです。

自動車は軽量化が変わらぬ課題です。燃費や電費を高める(航行距離を伸ばす)。材料コストを下げる。などが背景にあります。CNFを車体のいろいろな場所に使うことで、強度を維持しながら大幅な軽量化ができます。

CNFの自動車での搭載場所  出展:京都大学、環境省

木からクルマを作るというと、いまだに車体に木材を使用している英国のモーガンなんかが思い浮かびます。でも木で作ったクルマは、ロマンありますよね。

 軽量で高強度である特長を活かして、こうした自動車分野への適用の他に、家電など電子機器一般、住宅・建築などさまざまな分野への応用が期待されています。また「セルロース」であるという特長を活かして、食品や化粧品などへの応用も期待されています。

 電気をためる作用もあるため蓄電池への応用研究も進みつつあるそうです。

●セルロースナノファイバーで高性能蓄電池 東北大と日本製紙、開発へ

https://kahoku.news/articles/20210518khn000034.html

 

●CNFは単体だけではなく、樹脂やポリマーと複合化する応用もあります。

https://asahi-kasei-mobility.com/products/cnf/

 

CNFの製造は、やはり木材の加工ノウハウに一日の長がある、ということで製紙会社が有力なようです。

●製紙大手、木材新素材「CNF」に活路 収益確保へ用途探る

https://mag.executive.itmedia.co.jp/executive/articles/2110/08/news070.html#_ga=2.62042924.105324380.1633402772-2093093340.1628222466

製紙事業で培ったノウハウや、日本の豊富な木材資源を生かせるCNFを新たな経営の柱に育て、紙需要の減少による収益減を補いたい、としています。

国土の3分の2を森林が占める日本らしい夢の素材ということができますね。


コメント

このブログの人気の投稿

半導体不足で分かる思わぬ「関係」

  全世界的な半導体不足。それをきっかけに 思わぬ企業と思わぬ企業が半導体を通じて結びついていることが分かってびっくりします。 例えばヤマハの電子楽器の場合は? コロナにともなってお家で楽器を再び始める人が増えた。しかしヤマハは半導体不足でいまいちその波に乗り切れない、という記事がありました。 ヤマハの電子楽器向けの半導体を作っていた旭化成マイクロシステム延岡工場で火災が発生しました。ヤマハは電子楽器向け半導体の多くを、旭化成マイクロシステムに頼ってきた、と記事には書いてありました。 あ、そうなんだヤマハは半導体自前じゃなかったんですね。 旭化成マイクロシステム、 通称 AKM 。 いまは旭化成エレクトロニクスとしても知られていますが、オーディオ用のアンプやコンバータなどでは、海外マニアを唸らせる世界最高のオーディオブランドとして知られています。なのでいまだにAKMのブランドが使われています。 なるほど AKM が供給元だったのですね。センサー系の製品の仕事でお手伝いさせていただいたことあります。一刻も早い復旧をお祈りします。 これとは別に、ルネサスの工場が以前の 大雨で たいへんな被害にあって、操業を休止した際には、世界中の車載半導体の供給が滞って、これまた世界のマーケットが深刻な事態になったとか。 事故は起こってはいけないことですが、こういう時に半導体という製品の持つ影響力の大きさや広さというものを改めて感じさせてくれます。

グラフィックレコーディングで、イベント来場者の注目度アップ

  出典: グラフィックカタリスト・ビオトープ グラフィックレコーディングとは? グラフィックレコーディング(通称:グラレコ)。議論、セミナ 、インタビューの内容を、グラフィックでリアルタイムに視覚化する手法です。見えない情報をビジュアル化することで分かりやすくする。シンポジウムやオンラインイベントで近年よく見る手法です。 ピンとこない方は、ここを見ていただくとどんなものか分かると思います。 自分も何度かご相談したことのある 「グラグリッド」さんのプロジェクト例です。 https://glagrid.jp/gallery 何かしら、どこかで見たことありますよね。   視覚化することで分かりやすく、しかもエンターテイメントになる 講演やシンポジウムの内容をグラフィックマップの形で描きます。ライブで行うことが一般的です。 メリットや効果としては、一番なのは、情報の視覚化。要するに分かりやすくなる。全員がイメージとして共有できる。というあたりです。 また、ライブで行われるので描いている過程を見るのが楽しいです。 そして出来上がりの絵をあとから見るのが、また楽しい。 最終的にはかなり大きな絵になりますので、ライブイベントであれば現地の壁面。あるいはオンラインで公開するとたいへん注目度が高いです。 サマリーや議事録を文字のみで読むより格段に読んでみようという気がおきます。 出典:グラグリッド グラレコを使いたい時のちょっとした注意 イベントにグラレコを組み込むために、グラフィックレコーディングの会社さん数社から、実務的なお話もお聞きしました。そのいくつかをご紹介します。実際行う時の参考になるでしょうか ・かなり体力を使うそうで、描く人が複数人必要 ・全体では巨大なサイズの紙になるので掲出の場所を確保しておくこと ・専門性の高い分野は難しい言葉も多いので、必ず事前に講演者と打合せが必要 ・費用に関しては会社によると思いますが、比較的導入しやすいと申し上げておきます。マルチトラックの講演をやれば、その数だけかかるのは当然のことです。   というわけで効果と使いどころだと思います。比較的オープンイノベーション系や CSR 系のいろんな方が参加するイベントでは採用されやすいです...

分解記事はいつもドキドキ、スリリング

  「 ITmedia Virtual EXPO   2021 秋」で面白かったウェビナーをもうひとつご紹介します。   タイトルは「最先端 5nm プロセッサ解剖」。   泣く子も黙る最新鋭プロセスを採用したプロセッサ。最新 iPhone の A14 プロセッサ、 SnapDragon   888 プロセッサなどで採用されています。 これは分解記事好きとしては、見ざるを得ない所存。   ニュースサイトや雑誌で、解剖・分解記事は大人気。 話題のあれの中身はどうなってるんだろう。エンジニアのみならず一般の人も興味を引くようで、分解記事があると読者がどっと増えるのだそうです。ご多分にもれず自分も大好きでございます。   近年は YouTuber でも「分解系」が人気を集めていて たとえば世界規模では JerryRigEverything https://www.youtube.com/c/JerryRigEverything/videos 登録者 700 万人近いという人気 YouTuber です。 なかには電気自動車まるごとの分解記事なんかもあったりして、スケールも巨大になっています。     とういわけで「最先端5nmプロセッサ解剖」は最新プロセスである5nmプロセッサーを実際に分解していって解説していくもの。 Apple の A14 SnapDragon888 などを分解して中身の構造や機能を推理 / 解説していきます。 これがサスペンスドラマのストーリーのよう。一層一層、薬品で溶かしていくごとに、新たな事実が判明。そこから設計思想を読み取りしていきます。まるで海外ドラマのミステリーを見ているかのようなスリリングな展開でした。