オーディオは最終的には「感性」に響くことが重要。アンプやコンバータにこだわるのは当然のことですが、ケーブルが、端子が、電源が、そして最終的には専用電柱がなど。マニアの方の追求心には、ひたすら口をあんぐりするばかり。
ほんとにそれは効き目があるのかなあ、と、自分は耳がもう衰えてモスキート音や高周波の音が聞こえづらくなっているので、駄耳にはよく分からんのです。
とほほ。
しかし、そうしたマニア向けのハイエンドオーディオ機器に使われている技術の高さには、嘘はありません。
たとえば頂点を極めたイヤースピーカー、“真空管”搭載したAK「SP2000T」というニュースを見ました。
https://stax.co.jp/product/sr-x9000/
「SR-X9000」は、69.3万円という超弩級モデルで、“イヤースピーカーの頂点を極めた”モデルだそうです。金額を聞いただけでちょっと気が遠くなります。耳と直結する商品だけにここは手が抜けないというのもわかります。
最大の特徴は、大型金属メッシュを組み合わせた4層構造の固定電極「MLER-3」を搭載している点。電極として理想的な素材は「金属メッシュ」に辿り着いたのだそうです。
製造に際して、メッシュを大きくすると強度が不足してしまう。そこで、メッシュの表面に補強を施す。これが手作業だと歩留まりが悪い。ここでイノベーションとして、熱拡散結合という新たな技術を取り入れたのだそうです。
熱拡散結合か。ここで親しみのある言葉に出会ってすごくうれしくなりました。
溶接や加工機器のクライアントとつきあっていましたので、ある意味身近な単語です。
溶着----。金属と金属、樹脂や非鉄金属をくっつけることなのですが、そのとき、溶接、溶着、融着などいろんな方法を使います。あらゆる製造業では欠かせない技術です。
その方式のひとつが熱拡散結合です。熱拡散結合は薄い板に真空の中で高温をかけて圧着することで、接着剤を使わずに分子レベルで金属をくっつける事ができます。真空中で圧力をかけるだけで、何もなしでしっかりくっつくわけです。
電極のサンプルを見ると、
ああなるほど、なるほど最初に薄い金属メッシュ板を加工して効果的なサウンドが鳴るような形状の電極にしていくんだろうな。
ああ、この薄さと細工の細かさだと機械加工は無理だな。レーザー加工だろうな。高出力のプラズマではなくって、グリーンレーザーみたいな波長の高いやつかなあ。
つきあいのあるクライアントのレーザー加工機でこんなサンプル見たなあ。
など妄想はひろがるばかり。
気づけば写真1枚を何分もぼーーっと眺めているという変な人になっています。
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